今回は、「~するとすぐに○○」という表現に使われる構文と、時制について注意するべきポイントを解説いたします。
「~するとすぐに○○」と言えば、as soon as S+V の構文が有名で、よく使われる表現ですが、今回は同様の意味を持つ表現を見ていきます。
ほかの表現も理解することで、書換問題に強くなったり、文章力に自信が持てるようになります
上記の日本語を英文にする場合、色んな表現の仕方があります。
これら、全て同様な意味で書き換え可能ですが、各例文の下に記載している通り、
時制が「過去形・過去形」 で表現されるのと
「過去完了・過去」で表現されるものがあります。
同様な意味を持ち書き換えが可能なのに時制がなぜ違うかを考察していきます。
「接続詞」を使って表現する
「~するとすぐに」の意味を持つ節を「副詞節」と言い、もう片方が「主節」になります。
副詞節⇒主節
主節⇒副詞節
どちらの順で表しても同じ意味です。
時を表す接続詞、when , after , before と同じように、主節が未来形であっても副詞節は現在形で表します。
① as soon as 主語(S)+動詞(V)
as soon as は中学で習う熟語で、「~するとすぐに○○する」の代表的な表現です。
この3つの単語が合わさった熟語の品詞はそれぞれ、副詞・副詞・接続詞に分かれ、
as soon as 主語(S)+動詞(V) で 「SがVするとすぐに」という意味で表します。
時を表す接続詞なので、when before などと同様に、上記の通り主節が未来形でも 副詞節(as soon as S+V)は現在形で表します。
② once S+V
once は副詞で、「一度」や「かつて(昔)」という意味がありますが、接続詞で「~するとすぐに」「~した時点で」という表現にも使われます。
③ immediately after S+V
immediately は副詞
この場合は 接続詞のafterを修飾して「直後・すぐあと」の意味になります。
④ the moment(minute/second) S+V
momentは「瞬間」という意味ですが、前にthe をおいて the moment で「~するとすぐに」という接続詞になり、主語(S)+動詞(V)が続きます。
①~③と同様に、未来形の場合も副詞節は現在形です
pop the question とは、プロポーズをするの比喩表現になります
また、the moment を the minute や the second に言い換えて表現することもできます。
「前置詞」を使って表現する
①~④は接続詞として「~するとすぐに」という副詞節と主節とで表しましたが、
前置詞を使う場合は、後ろに主語+動詞ではなく名詞をおいて句としての役割を持ちます。
⑤ on (upon) + 名詞(動名詞)
接続詞+S+Vの形とは違い、on(upon) +名詞だけで「~次第」「~するとすぐに」と言う意味になることがあります。
on(upon) は前置詞なので、後ろには名詞・動名詞が来ます。
よく使われるのは
on arrival : 到着次第
on completion of …:…の完了次第
on receipt: 受け取り次第
応用
①~⑤までマスターできれば、次は応用編(高校英語~)です。
⑥ no sooner than
「no + 比較級」は少しややこしくて慣れるまで時間がかかりますが、no sooner than がなぜこういう形をとって「~するとすぐに」の意味になるかを理解することが肝心です。
まずは「no+比較級」の例文を見てみましょう。
no sooner以外でも左の例文のようにno + 比較級で 「全然~でない」という意味になります。
詳しくは、比較級の記事で説明しているので、参考にしてみてください。
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それでは本題に入ります。
A. no:全くない
B. sooner : soon 副詞「すぐに」の比較級 「よりすぐに(より早く)」
A+B No sooner = 全く早く~していない(副詞)
C. 全く早く何していない?=全く早く去っていない
D. 何よりも(比較の対象) than 以下:電話がなったのと比べて
その他の例文
No sooner から始まる倒置表現
この構文は倒置法でもよく用いられます。
倒置の表現は
No sooner +had+ 主語+過去分詞 than S + V
文脈から前後関係が読み取れる場合は、両方とも過去形で表す場合も(とくに口語でカジュアルな会話な場合)あります。
倒置の時に had の代わりに did を使い、
No sooner did I say a word than he glared at me.
という表現もありですが、no sooner が文中にある場合は、過去形での表現はしません。
⑦ hardly(scarcely) when (before)
hardly(scarcely) when(before) は準否定の記事でも説明していますが、
hardly (scarcely) when(before)で 「~するや否や○○する」「~したらすぐに○○した」と言う意味になります。
no sooner は全く早くない=ほぼ同時 の意味で使われますが、
hardly やscarcely副詞で は肯定文でありながら動詞を修飾し「ほとんど~していない」の準否定の意味になります。
ただし、ここの構文になると、準否定の「ほとんど~ない」という意味よりも、肯定的な「~したところだった」という意味になります。
Hardly (scarcely)から始まる倒置表現
この構文もよく倒置法で用いられます
倒置の表現は
Hardly (scarcely) +had+ 主語 +過去分詞 before(when) S + V
英語の準否定 rearely・seldom・hardly・scarcely の意味と使い方
時制について
hardly whenは no sooner と違い、現在形で表現することもあります
例えば、
I am hardly awake before I hit the shower.
起きるとすぐにシャワーを浴びる。
また、この表現も文脈から前後関係が明確な場合は、会話などでは両方とも過去形で表す場合があります。
I hardly drove a mile before my car broke down.
Hardly did I drive a mile before my car broke down.
ですが、テストで問題が出る場合は、過去完了-過去形のの時制をとることがほとんどです。
まとめ
いかがでしたか?
「~するとすぐに○○」という表現法を7つ見てきました。
接続詞を使う場合は過去形、現在形、未来形のどれでも使うことができます。
(ただし、未来形の場合は、副詞節は現在形で表す)
① as soon as S+V
② once S+V
③ immediately after S+V
④ the moment(minute/second) S+V
⑤ on(upon) +名詞(動名詞)
⑥ no sooner than
⑦ hardly(scarcely) when (before)
接続詞を使って表現のところでも触れましたが、
①-④の接続詞を使う場合は過去形、現在形、未来形のどれでも使うことができます。
(ただし、未来形の場合は、副詞節は現在形で表す)
⑤はon (upon)+名詞だけで すぐにと言う表現になるとても便利でビジネスでもよく見かける表現です。
⑥-⑦は応用ですが、大学入試やTOEICでもよくでる構文なので、慣れるまでは違和感がありますが、
暗記ではなく意味を理解して使えるようになれば立派な英語上級者です。