第3・4・5文型の受け身
前回は受動態の基本について解説しました。
今回は、高校英語で習う第5文型の 第3・4・5文型を受け身にするとどうなるかを、品詞を交えて形を詳しく説明します。
基本では能動態から受動態になる場合は、動詞をbe動詞+過去分詞にすると解説しましたが、今回は「かたち」を見ることによって、なぜbe動詞なのか、なぜ過去分詞なのかを詳しく見ていきたいと思います。
受動態の動詞(V)はbe動詞
能動態の文が受動態に書き換えられると、動詞はbe動詞+過去分詞になりますが、
ここでは以下のように説明していきます。
動詞(V):be動詞
補語(C):過去分詞+以降
なぜならば、過去分詞の性質としては形容詞的な役割を持つので、動詞が過去分詞になった時点で「一般動詞」の枠組みから外れて、「形容詞の意味を持つ動詞の変化形」になるからです。(進行形で使われる現在分詞も同じ考え方です)
第3・4・5文型の能動態を受動態にするとどうなるかを見ていきます。
第3文型(SVO)を受け身にすると
第3文型を受け身にする場合は、目的語(O)が主語に変わります。
動詞(V)be動詞に変わり、
動詞は過去分詞形にすることで形容詞句として補語(C)の一部になり、主語を説明する形容詞句に変わります。
第3文型は受け身になると第2文型に変わります(SVO→SVC)
例文で見ていきましょう
このような見方をすると、受け身になぜbe動詞を伴うかが理解しやすくなります。
同様に、進行形もbe動詞+現在分詞で
動詞(V):be動詞
補語(C):~ing(現在分詞)以降
という見方ができます。
第4文型(SVOO)を受け身にすると:3パターン
第4文型(SVOO)は目的語がふたつあるので、2種類の受動態を作ることができます。どちらの目的語を主語に持ってくるかによって文が異なります。
↑第3文型(SVO)の受け身に比べると少し違和感がありますが、第4文型be動詞以下を補語(C)としてとらえることができます。だた、もうひとつの目的語(a letter)が文中に残るので、それをそのまま過去分詞sentの後ろに持ってきます。
2こめの目的語"a letter"を主語にして受け身を作ることもできます
この場合は、もうひとつの目的語(me)が文中に残るので、それをそのまま過去分詞sentの後ろに持ってきます。
そして、第4文型の特徴として、to/forを用いて第3文型に書き換えが可能です。
ということで、3つ目の書き換えはtoを用いた第3文型からの受け身になります
第4文型の例文をもう一つ
↓
第4文型をfor を用いて第3文型にする場合も同様です。
第5文型(SVOC)を受け身にすると
第5文型は SVOCで構成され、目的語(O)=補語(C)の関係性が成り立つことです。
受け身にする場合は目的語(O)が主語になり、主語(S)=補語(C)の関係性に変わります。
受動態になった場合の補語(C)は過去分詞を含みます
↑ 第5文型の特徴 (O=C)ポイ捨て=犯罪
受け身になると目的語が主語に来るので、
S(ポイ捨て)=C(犯罪と見なされる)の第2文型 (SVC)になります。
受け身になることで過去分詞以降すべてが補語としてとらえられます
↑ 第5文型の特徴 (O=C)原告の主張=間違い
受け身になると目的語が主語に来るので、
S(原告の主張)=C(間違いを証明された)の第2文型 (SVC)
能動態の補語は主語にならないので、第5文型を受け身にする場合は、目的語のみが受け身の主語になります。
自動詞を受け身にするときは前置詞を忘れずに!
第3・4・5文型に共通する特徴は、目的語(O)を伴うということです。
では目的語がない、第1文型、第2文型は受動態に出来ないかというと…
第2文型(SVC)は出来ません!補語は主語になれないからです。
ただし、第1文型でSVのあとに続く修飾語の種類によっては、受動態にすることが可能です。
これは、前回の記事で「群動詞」「句動詞」として説明した部分に当たります。
自動詞でも前置詞や副詞とセットになって他動詞のような役割をする「群動詞」「句動詞」として、受動態にすることができます。
↑
yellは自動詞なので、前置詞 atを付けて、
yell at ~ :~に怒鳴る
受動態にする場合、at忘れないように!
「キャリーは怒鳴られた」
×Carrie was yelled
〇Carrie was yelled at
※能動態の主語はCarrie's teacher に対して、
受動態でShe was yelled at by Carrie's teacher にすると、
「彼女はキャリーの先生に怒鳴られた」となり
She≠Carrieになるので、Sheを前に持ってくるときにCarrie を主語にして、Carries's teacherをher teacher にする必要があります。
↑
「take care of~」で
~の世話をする
(支払いなど)を引き受ける
~の対処する
などの意味があります。
受動態にする場合は、「~を」に当たる修飾語が主語になります。
take care of のカタマリを taken care of に変えることによって受け身の「支払われる・引き受けられる」となります。
よく出題される「群動詞」はほかにも:
■put off(~を延期する)→受動態 put off
The school trip was put off.
「修学旅行が延期された」
■catch up with (~に追いつく)→受動態 caught up with
He was finally caught up with.
「彼はついに追いつかれた」
■deal with (~を扱う) →受動態 dealt with
Violent crimes are dealt with in this department.
「凶悪犯罪がこの部署で扱われています」
などがあります
確認問題
次の英文を受動態に書き換えてください
1. Many people visit Sapporo.
Sapporo .
2. The man asked Ross a direction to the station.
Ross by the man.
3. His children call him "Papa"
He by his children.
4. Kim didn't smile at Ken.
Ken by Kim.
( )内の語を並べ替えて英文を完成してください
5. あなたはこの情報をあなたのお母さんから聞いたのですか?
[your / told / you / this information/ were / by /mother]?
6. この話は私の家族に本当だと思われていません。
[thought/ by /this / my / story / family / isn't / true].
解答
次の英文を受動態に書き換えてください
1. Many people visit Sapporo.
Sapporo is visited by many people .
2. The man asked Ross a direction to the station.
Ross was asked a direction to the station by the man.
3. His children call him "Papa"
He is called "Papa" by his children.
4. Kim didn't smile at Ken.
Ken wasn't smiled at by Kim.
( )内の語を並べ替えて英文を完成してください
5. あなたはこの情報をあなたのお母さんから聞いたのですか?
[your / told / you / this information/ were / by /mother]?
Were you told this information by your mother?
6. この話は私の家族に本当だと思われていません。
[thought/ by /this / my / story / family / isn't / true].
This story isn't thought true by my family.