集合名詞とは
今回は集合名詞について説明します。
可算名詞と不可算名詞の記事で取り上げた例もいくつかありますが、
今回は集合名詞とは何か?
どのような単語が「集合名詞」として扱われるか
集合名詞の種類の特徴は何か?
を分かりやすく解説します。
集合名詞とは、人やモノなどが集まってひとつの集合体として意味をなす名詞のことを言います。
集合名詞は
① 不可算名詞(数えられない名詞)で単数扱いをする
② 可算名詞(数えられる名詞)で複数扱いのみをする
③ 可算名詞(数えられる名詞)で単数・複数両方ある
の3種類に分けられます。
① 不可算名詞(数えられない名詞)で単数扱い
不可算名詞で単数扱いで表す名詞は、food, furniture, jewelry, fruitなどがあります。
複数形で表すことがなく、be動詞は is/was 一般動詞はの現在形は、三単現のsが付きます。
これらの不可算名詞/単数扱い は「○○類」「総称」を表すときに使われます。
food (たべもの)
食べ物の総称として単数形で使われます。
「食材の在庫は今たくさんあります」
fruit (くだもの)
フルーツの総称として単数形で使われます
「あなたはもっと野菜とフルーツをとらないといけません」
*vegetableは 可算名詞でこの場合は複数形で表します。
baggage (手荷物) ・ luggage (旅行かばん、大きな荷物)
似たような言葉なので、集合名詞の単数扱いで一緒に覚えるのがいいでしょう。
baggage : 手荷物 飛行機の機内に持ち込むような携行物
luggage : スーツケースなどの旅行かばん
baggage/luggageを数える場合は piece(s)を使って表します。
「手荷物はいくつお持ちでしょうか?」
furniture (家具)
Furniture は、イス、テーブル、ソファなど色んな家具の総称になります。
家具を数える場合は piece(s)を使います。
So we need to buy more pieces of furniture.
「アパートには、家具がほとんど置いてない。
だからいくつか家具を買う必要がある」
jewelry (宝石類)
jewelは可算名詞の「宝石」に対して、
jewelryは「宝石類」と色んな宝石をひっくるめた総称を表すときに使われます。
かぞえるときは、jewelを使う、または、piece ofを使います。
「デズモンドは宝石店でダイヤの指輪を買った」
clothing (衣類)
clothesと同じような意味ですが、clothesは可算名詞の複数形で「衣服」。
いっぽうで clothingは「衣類」「アパレル関係」の集合名詞になります。
「姉は衣服(アパレル)のビジネスの経営をしている」
machinery (機械)
個々の機械は machine / machines と表しますが、machinary は 集合的な「機械類」や機械の構造のことを表します。
and mainly handle construction machines such as caterpillars and bulldozers.
「我々は、重機を売る会社で、主に建設工事用のキャタピラーやブルドーザなどの機械を扱っています」
poetry (文学や芸術の意味での「詩」)
poemは 可算名詞の「詩」
poetry は 「詩(poems)」を生み出す 「文学の分野」や「芸術」の概念を持った「詩」の意味になります。
「私は(文学としての)詩が好きで、毎日詩を書いている」
② 可算名詞(数えられる名詞)で複数扱いのみをする
可算名詞で複数扱いをする集合名詞は、
冠詞のa /anをつけません。
be動詞は 複数形のare [were]を使い、一般動詞は三単現のsをつけません
複数形のs/esをつけなくて複数扱いをする名詞と、
複数形のs/esが付いていて、単数形にならない名詞とがあります。
複数形のs/esをつけない 複数扱いの名詞
people (人々)
複数の人を表す場合に、 peopleが使われ、peoplesにはなりません。
(ただし、民族を表す場合は peoplesとして使われることがあります)
単数形は person を使います。
複数の中のひとりという場合は
one of the people という言い方もできます。
「人々は新しい移民の入国規制に不満だった」
police (警察・警察官) 単数形は police officer
policeは集合名詞で使われ、組織を指す場合と、複数の警察官を指す場合があります。
どちらとも複数扱いがされます。
「警察は犯行現場を調査している」
限定的にする場合は the police を使います。
単数で表現する場合は、
police ➡ a police officer, a policeman (woman)という表現を使います。
cattle (畜牛)
複数形のs/esは付けずに「2匹の牧畜牛」はtwo cattleとなりますが、cattlesにはなりません。
「畜牛は通常、食肉や牛乳の家畜として育てられます」
単数で表現する場合は、
cattle ➡ a head of cattle (a cow (メス牛)/ a bull (オス牛)という表現を使います。
複数形のs/esをつけて 必ず複数扱い(単数形にならない)の名詞
可算名詞の複数扱いは、もともと複数形のs/esをつけて、絶対に複数扱い(単数扱いをしない)をする名詞もあります。
はさみやズボン、眼鏡はひとつでも、英語では複数形で表します
はさみは刃が2つついている
メガネもレンズが2つついている
ずぼんも足が二股になっている理由で
日本語では単体(ひとつ、1着、1体)でも英語では複数形になります。
glasses (眼鏡)
メガネはレンズがふたつあるので、単数形では表さず、複数形扱いをします。
メガネがひとつと表す場合は a pair of glasses と表します。
「あなたは眼鏡をいくつ持っていますか?」
「その眼鏡はあなたにとてもよく似合う」
Scissors (はさみ)
はさみも刃がふたつあるので、複数形扱いで使います。
メガネと同様に、
a pair of scissors / two pairs of scissors と数えます。
「もし左利きでしたら、左利き用のはさみもございます。」
Pants / Trousers (ズボン)
ズボンのことをアメリカ英語では pants ,イギリス英語ではtrousersと言います。
足が2本に分かれているので、これも複数扱いで、
a pair of pants(trousers) / two pairs of pants(trousers) と数えます。
Pajamas (パジャマ)
パジャマも上下セットでひとつと考えられて、単数形では使われません。
a pair of pajamas / two pairs of pajamas と数えます。
「このパジャマは古い。新しいのを入手する必要がある」
clothes (衣服)
単数扱いのclothingは「衣類」ですが、同じような意味で clothesは「衣服」として複数扱いします。
clothingは 「衣類産業」などの「分野」としての意味あいが強く、clothesは服、洋服として使われます。
「彼の服は床のあちこちにあった」
いっぽう 服のclothesは クローズィーズではなく、closeと同じ発音 [klóu(ð)z] クロウズになります
Stairs (階段)
階段のことをsrairs といい、一連の段の集合なので複数扱いをします。
階段の一段一段は step 、
一連の階段を数える場合は a flight of stairs / two flight of stairs と言います。
So I went up 8 flights of stairs to my office.
「エレベーターが込み合っていたので、オフィスまで8階分の階段を上って行った」
そのほか goods(商品・グッズ), shorts (短パン、下着パンツ)なども常に複数扱いをする名詞です。
③ 可算名詞(数えられる名詞)で単数・複数両方ある
単数にも複数にも扱われる集合名詞もあります。
集合体を「ひとまとまり」「ひとつの組織」とする場合は 単数扱い、
集合体の「その中の何人か」や「みんな」などメンバー見る場合は複数扱いにします
family (家族)
「トッドは大家族で育った」
「この建物には4家族(世帯)いる」
「私の家族はみんな背が高い」
class (クラス)
ひとつのまとまった「クラス」としては単数形
「クラスは4つのグループに分けられます」
「クラスのみんなはベロシ先生が戻って来て嬉しかった」
audience
観衆をひとまとまりと見ると単数扱いになります。
「今日の観客は静かだった」
「観客の何人かは最後立っていた」
そのほかにも crew(乗組員), staff(スタッフ、従業員), faculty(教員), comittee(委員会)など
単数扱いにするか、複数扱いにするか 線引きが微妙なところですが、現在はほとんどの場合(特にアメリカ英語)、family is, families are と ひとまとまりで単数扱いがされています。
複数扱いにする場合は、 my family members are や class members , classmates など 明確に複数と分かる言い方が好まれます。
単数形で聞かれて、複数形で返すことも非常によくあります。
「家族元気?」
They are all well. (複数)
「みんな元気だよ」
「新しいクラスどう?」I like it so far though some are loud. (単数+複数)
「今のところいい感じ。うるさい子もいるけどね」
まとめ
いかかでしたか?
日本語との認識がかけ離れていて、理屈では理解できないものもたくさんありますね。
集合名詞とは団体や集団を ひとつのものととらえるものだけではなく、
●clothing、furniture, baggage など 単数扱いをするモノ
●police, people, cattle など 一見複数形に見えないが複数形のもの
●clothes, pants, glasses など 複数形のみで使われるもの
●family, audience など 場合で可算、不可算どちらにもなるもの
に分かれます。
ややこしいですが、英検やTOEICでは 単数扱い/複数扱いの穴埋め問題も出るので、どの集合名詞がどのタイプのものなのかしっかり理解する必要があります。
特に furniture, jewelry などの単数扱いになる名詞
police やglasses など複数形扱いになる名詞が 試験によく出る傾向にあります。
例えば・・・
カッコに入る最も適したものを選んでください
The police ( ) the shooter as a former professor at the school where the shooting took place.
- are categorizing
- is categorized
- has identified
- have identified
My grandmother wears ( ) when she reads.
- a glass
- a glass of water
- a piece of glasses
- a pair of glasses
答え:
4. have identified
4. a pair of glasses
警察は襲撃犯を事件が起こった学校の元教授だと明らかにしました。
祖母は読むときにメガネをかける
補足: fish
fish は集合名詞で 複数でも two fish と sをつけない 単複同形の可算名詞です。
食材としてのfish はbeef 、porkなどと同様に不可算名詞扱いになります。
単複同形の単語はほかにも sheep(羊)deer(鹿)などもあります。
津