用法に分けて「to不定詞」の基本について解説してきました。
前回は、①to不定詞の「名詞的用法」と ②「形容詞的用法」について詳しく見てきました。
今回は 第3回の「副詞的用法」の基本について説明します
to不定詞とは 3つの用法
to不定詞とは簡単に言うと、to+動詞の原型で成り立つ 動詞を使った表現です。
一方で、不定詞でもtoを伴わず、動詞の原型だけで使われる場合もあり、原型不定詞と呼ばれます。
それと区別をするために、「to+動詞の原型」で成り立つ不定詞は、to不定詞と呼ばれます。
「to+動詞の原型」の形をとることで、他の一般動詞やbe動詞と同じ文、節で使うことができます。
前回は、下記のように、「~すること」という意味になる「名詞的用法」と
「~するべき」「~するための」という意味になる「形容詞的用法」についてみてきました。
「名詞的用法」
「形容詞的用法」
今回は、「副詞的用法」
動詞➡ 副詞の役割 (買う⇒ 買うために)という意味になるto不定詞を見ていきます。
「キャシーは本を買うために本屋に行った」これを分解して、英語にしてみると・・・
主語(S)=キャシー Kathy
動詞(V)=買うbuy ? いった=went?
どこに?何しに?= 本 a book 本屋 a bookstore
となり、構成が複雑にみえます
まずは「本を買うために」をいったん外してみると
Kathy went to a bookstore. できれいな文になりますが、それに補足を加える形で「本を買うために」を後ろにつける。
これが、今回のto不定詞の副詞的用法の基本のかたちです。
主語(S)=キャシー Kathy
動詞(V)=行った went
どこに行った?= to a bookstore
何をしに?=本を買いに(買うために) to buy a book
上記のように、本屋には何の目的で行ったかを説明するためにto不定詞が使われます。
副詞の働きについては↓の記事で形容詞と一緒に説明しています。 続きを見る
参考英語の形容詞と副詞の違いとは?|見分け方、使い方を分かりやすく解説
「副詞的用法」には上記のように、「~のために(目的)」の示す場合に使われますが、それ以外にも
「~して嬉しい/悲しい」など感情の原因、
「成長して~になった」などの結果を表現する時
「~するなんて親切だ/勇敢だ」などの判断の根拠を表すとき にも使われます。
それぞれ、例文をあげながら見ていきましょう
不定詞の「副詞的用法」の特徴・例文で解説
形容詞は名詞(代名詞・動名詞などを含む)を説明する働きがありますが、
副詞は、名詞以外の語句、文を説明(修飾)する役割を持ちます。
例文で副詞的用法の特徴を見ていきましょう
目的 (~するために)
to不定詞の副詞的用法は、前の語句や文の目的を説明する場合に使われます。
目的を表す場合は「~するために○○する」「~しに○○する」という意味で使われます。
「I ran every day」私は毎日走る
何のために(目的) = to lose weight
「私は体重を減らすために毎日走る」
「Dan studies very hard」ダンは一生懸命勉強する
何のために(目的) = to be a pilot
「ダンはパイロットになるために一生懸命勉強する」
結果 (○○して~になった)
副詞的用法では「目的」以外にも 「○○して~になる」という結果を表す場合に使われます。
特に、[grow up to be~] で「大きくなって/成長して~なる」という定型文がよく用いられます。
「She grew up」彼女は成長した
そしてどうなった(結果)? = to be an actor
「彼女は成長して俳優になった」
また、↓のように 「only to ~」が使われていると、前の部分にもかかわらず意思に反する結果となることを表します。
「結局~するだけだった」「結局~になってしまった」のような意味になります
「She ran to the station」彼女は駅まで走った
そしてどうなった(結果)? = only to miss the train
直訳すると、「ただ電車を逃しただけだった」となり、走ったのに間に合わなかったという意味になります。
「彼女は駅まで走ったが電車を逃した」
感情の原因 (~して嬉しい・悲しいなど)
副詞的用法には 感情を表す形容詞とto不定詞が一緒に使われて、「~して嬉しい/悲しい/ショック」などの意味になります。
「I'm so glad」私はとても嬉しい
なんで嬉しい(原因)? = to see you
「私はあなたに会えてとても嬉しい」
「Ken was shocked」ケンは衝撃を受けた(ショックだった)
なんでショック(原因)? = to know the truth
「ケンは事実を知って衝撃を受けた」
覚えておきたい!
覚えておきたい感情を表す形容詞・過去分詞
✔ afraid + to不定詞 「~するのを恐れる」
✔ glad + to不定詞 「~して嬉しい」
✔ happy + to不定詞 「~して嬉しい」
✔ sorry + to不定詞 「~して残念(気の毒)に思う」
✔ excited+ to不定詞 「~することにワクワク(興奮)する」
✔ satisfied+ to不定詞 「~して満足する」
✔ pleased+ to不定詞「~して喜ぶ」
✔ surprised + to不定詞 「~して驚く」
判断の根拠 (~するなんて○○だ)
副詞的用法には、人柄や性格などを表す形容詞を前に置いて、後ろのto不定詞を続けると「~するなんて○○だ」と表すことができます。
「He was so brave」彼はとても勇敢だった
その根拠は? = to dive into the water
「水に飛び込むなんて彼はとても勇敢だった」
助動詞must をつけて、「~するなんて○○に違いない」という意味になります。
「She must be generous」彼女は寛大に違いない
その根拠は? = to give money to charity
「チャリティにお金を寄付するなんて彼女は寛大に違いない」
覚えておきたい!
よく使われる人柄・性格・性質を表す形容詞
✔ kind 「親切な」 | ✔ generous 「寛大な」 | ✔ polite 「礼儀正しい」 |
✔ clever 「賢い」[利口な」 | ✔ foolish 「ばかげた」 | ✔ impolite 「無礼な」 |
✔ wise 「賢い」 | ✔ careful 「注意深い」 | ✔ rude 「失礼な」 |
✔ smart 「頭がいい」 | ✔ careless 「不注意の」 | ✔ brave 「勇敢な」 |
to不定詞 副詞的用法の英文の作り方
「副詞的用法」は前の形容詞、動詞、文全体などを補足説明する役割があるので、
①マイクは彼の息子に会うために東京に行きました
②彼女はその知らせを聞いて残念がっていました。
③お母さんを手伝うなんてあなたはとても親切です
ポイント
■ まずは、「主語がどれか」・「動詞はどれか」をみてS+Vをつなげてみる
■ ②③はbe動詞を使うので、一般動詞なのかbe動詞なのかを見分けることも重要です。
①マイクは彼の息子に会うために東京に行きました
主語(S)=マイク=Mike
動詞(V)=行った=went
どこに(M修飾語)=to Tokyo
何をしに= to see his son.
答)Mike went to Tokyo to see his son.
②彼女はその知らせを聞いて残念がっていました。
主語(S)=彼女は=she
動詞(V)=be動詞 was
どんな感情(C)=残念に思う=sorry
なんで残念=to hear the news
答)She was sorry to hear the news.
③お母さんを手伝うなんてあなたはとても親切です
主語(S)=あなたは=You
動詞(V)=be動詞 are
どんな性格・人柄(C)=とても親切=very kind
なぜそう思う(根拠)=to help your mother
答)You are very kind to help your mother.
まとめ
今回は to不定詞の「副詞的用法」について解説をしました。
ポイントは、
✔ 副詞的用法は「to+動詞の原型で」は名詞以外の語句(形容詞、動詞、副詞)や文そのものを説明する
✔ 何を修飾(説明)するかによって「目的」「感情の原因」「結果」など意味が変わってきますが、基本は前の部分を補足すること
不定詞の用法にとらわれ過ぎず、自然に文の意味が理解出来たり、英作文ができるように慣れていくのが一番大切です
to不定詞はには、非常によく使われます。 別の記事でも「応用編」として紹介してきます!
練習問題
次の日本語に合うように英語を並び替えてみましょう
1. 彼女は成長して有名なテニス選手になりました
a / player / she /famous/ to / grew / be/ up / tennis
2. 私は祖母に会えてとても嬉しかったです
grandmother / I / very / was / see/ to / glad / my
3. 私は牛乳を買いにその店に行きました。
I / milk / went/ to / buy / to /the / store
4. 夜おそくに私に電話をするなんて彼は無礼だ
late /at night / he / call / is / to / impolite / me
解答
1. She grew up to be a famous tennis player. 「結果」
2. I was very glad to see my grandmother.「感情の原因」
3. I went to the store to buy milk. 「目的」
4. He is impolite to call me late at night 「何段の根拠」