自動詞と他動詞の違いと覚え方
今回は、英語の自動詞と他動詞について解説します。
「自動詞と他動詞」ってよく聞くけどいまいち理解できない。
「目的語」って何だっけ
などのモヤモヤをゆっくりを解説していきます。
① 動詞の後ろに目的語が来る → 他動詞
② 動詞の後ろに何もない → 自動詞
③ 動詞の後ろに形容詞が来る → 自動詞
④ 動詞の後ろに副詞が来る → 自動詞
⑤ 動詞の後ろに前置詞が来る → 自動詞
他動詞:後ろに目的語が来る
他動詞の特徴といえば、動詞の直後に目的語 が来るということです。
ですが、目的語をしっかり理解しないと他動詞・自動詞の区別がつきません。
目的語とは
「牛乳を買う」「宿題をする」「あなたにに会う」 「学校に行く**」など、「…を」「…に」に当たる動作の対象のことを言います。
↑の場合「牛乳」「宿題」「あなた」「学校」が目的語にあたります。
目的語になるのは:名詞、代名詞、動名詞、不定詞の名詞的用法、that など接続詞を伴う名詞節です
他動詞には
目的語(名詞、名詞句、名詞節など)が動詞の直後に来るように、「…を」「…に」の意味が動詞の中に含まれています。
つまり、主語と動詞のみでは文章が成り立たないとも言えます。
「私はをする」では、意味が分からないので、他動詞には必ず目的語が後ろに来ます。
他動詞と目的語の種類を例文で見ていきましょう
目的語が名詞の場合
一番明確な目的語は、「名詞」です
↑ milk は名詞で buyの直後に来ているので、buy は他動詞です。
目的語が動名詞
動名詞も動詞にingを付けることによって「名詞」としての役割をするので、
目的語として他動詞の後ろに来ることがあります。
↑cooking は「料理をすること」という名詞の働きをしています。
「enjoy=を楽しむ」
同様に↑ も「旅行に行くこと」「like=を好む」
動名詞については↓こちらの記事を参考にしてね!
目的語がto不定詞 の名詞的用法
to不定詞の名詞的用法 も 名称の通り、「名詞」として他動詞の後ろに来ることができます。
want , decide , like などの他動詞の後ろにはよく、to不定詞が置かれ、
want to ~ : ~することを欲する(~になりたい)
decide to~:~することを決める
like to ~ :~することを好む
という意味になります。
詳しくはto不定詞の名詞的用法の記事を参考にしてね!
to不定詞の基本を分かりやすく①「名詞的用法」| 英作文のポイントも
その他 こんなのも目的語 that節 / if 節 / 疑問詞+to不定詞 など
名詞、代名詞、動名詞、不定詞の名詞的用法以外にも、他動詞の後ろの来る節全体が目的語を表す場合もあります。
↑名詞節が続く接続詞のthat は省略OK! I know you can do it.
「that you can do it 」の節が目的語
↑ 接続詞 if は 「~かどうか」という意味になるので、
「if he is older than me(彼が年上かどうか)という節が
「wonder (を思う、知りたい)」にかかっています。
文中に疑問詞が入る、間接疑問文や、↑のように how to, what to, where toなど
疑問詞+to不定詞も 名詞句を作り、前の他動詞の目的語になります。
他動詞の中に「…を」「…に」を含むので、直後に場所や方向を表す前置詞が含まれません。
これが自動詞と他動詞の違いです
自動詞
いっぽう、自動詞は他動詞と違い、直後に目的語が置かれませんが、
かといって主語+自動詞だけで成り立っている文だけではありません。
自動詞のあとにどんなものが来るか解説していきます。
動詞だけで完結するもの S+V
自動詞で一番わかりやすいのが、動詞の後ろに何も置かれなくても文が成り立つ場合です
The door closed. 「ドアが閉まった」
Leaves fall.「葉っぱが落ちる」
I dance. 「私は踊る」
He smiled.「彼は微笑んだ」
動詞+形容詞 S+V+C
形容詞や副詞は目的語になることはないので、動詞の直後に形容詞、副詞が来る場合も自動詞です。
動詞の後ろに形容詞が来ると、SVCの第2文型の形をとり、V(動詞)は必ず自動詞であることが特徴です。
動詞+副詞
副詞も目的語ではないので、動詞の直後に副詞があれば、その動詞は自動詞です。
here, there, every day なども副詞の役割をします。
「ここに」「そこに」など「…に」にと訳す場合が多いので、目的語と間違いやすいですが、自動詞+副詞の形なので注意しましょう
形容詞と副詞については↓の記事を参考にしてね!
動詞+前置詞
他動詞には、「…を」「…に」が含まれていたので、目的語(名詞)を直後に置くことができましたが、
自動詞には「…を」や「…に」が含まれないので、名詞を置くには、前置詞を動詞の後ろに置く必要があります
自動詞・他動詞は置き換えでまとめて覚える!
目的語の説明で、「学校に行く」の学校が目的語に値すると述べましたが、
他動詞に続く場合は目的語と言い、
自動詞+前置詞に続く名詞は目的語とは言わず、大きなくくりで「修飾語」と称されます。
そして、
《他動詞+目的語》 =(≒)《自動詞+前置詞+名詞(自動詞+修飾語)》
で表現できることもたくさんあります。代表的な単語を例文で見ていきます。
「私は学校に通う・学校に行く」
attend は
①「~に行く、通う」以外にも、
② 結婚式や、催し物に出席、参加する
③ 付きそう、世話をする など
「女性がピーターに近づいて行って『こんにちは』と言った」
come up / go up は 「近づく」という句動詞で、
~に近づくというときはtoを伴う
approachには
①「~に近づく」以外にも
②~に匹敵する
③~を提案する、申し入れする
④~に取り組む
「彼が教室に入ってきてすぐに講義が始まった」
「トニーは新しい車を買うことを考えている」
consider は
①よく考える、検討する、など think about とほぼ差がなく使われることも多いですが、
②~と見なす、認める
例: We consider your application invalid.
(SVOC、第5文型をとったり、受け身で用いられることが多い)
私たちはあなたの申請を無効と見なします
③人などを思いやる、気持ちを考える
④注意深く見る
と文脈によってはニュアンスが変わってきます。
「私は駅に着いた」
reachは get to, arrive at よりも「苦労の末、何とかたどり着く」の意味が含まれます。
より、会話的で一般的に使われるのは get to
arrive は 場所・建物などの前は、 at 、都市や国の場合は in が用いられます
「私たちは、その問題についてあとで話し合います」
discuss とtalk about はほぼ同じ意味で「話し合う」を表す場合に使われますが、
discussの方がやや形式的でtalk aboutの方がやや口語的。
ただ、discussもすごく硬い表現というわけでもなく、学校やビジネスでは「意見を交わす」「議論する」という意味で常時使われる単語です。
「彼らは私の意見に反対します」
oppose, object to はほぼ同じ意味で「反対する」という表現に用いられます。
oppose は
①「反対する」以外にも
②敵対する、争う
③向かい合わせに置く
また、同じ意味で形容詞的に
be opposed to ~ で「~に反対している」と使われることもよくあります。
They are opposed to my idea.
object to も一般的に「反対する」意味で用いられますが、それ以外では
決定や判断に「不服・意義を申し立てる」の意味もあります。
「私の質問に答えていただけませんか?」
answer と reply to はほぼ同じ意味で「返答する」という表現で用いられますが、
reply to の方がややビジネス向け。
replyは、答えるというよりは、返事するの意味合いが強いです。
answer は
① 質問などに「答える」以外にも
② 電話やドアに出る
「私たちは会議で燃料価格の上昇について言及した」
mention も refer toも「言及する・(話題に)触れる」という意味がありますが、
ニュアンスに違いがあり注意が必要です
mention の方は「軽く話題に出す」「軽く取り上げる」に対し、
refer to は「きちんと話題に出す」という意味で、mention よりもやや強めです。
refer toには
①「言及する」以外にも
② ~を参照する、注意を向ける
③ ~を…と呼ぶ (refer to~as…)
「デービッドは彼の父親に似ている」
resemble とtake after はほぼ同じ意味で「似ている」という表現に用いられますが、
take after の方は遺伝的要素で似ている場合に使われます。
ただしあまり明確な区別はないようです。
また、口語的で見た目がよく似ているという表現で” David looks like his father. ”もよく使われる表現です。
似ている動詞に注意
raise vs. rise
■他動詞 raise (~を上げる、~を挙げる、~を育てる)
他動詞 raise の動詞の変化は以下になります(規則的)
■自動詞 rise (上がる、昇る,高くなる)
自動詞rise の動詞は不規則に変化します
lay vs. lie
■他動詞 lay (~を横たえる、~を置く、(卵を)産む)
他動詞のlay(~を横たえる、~を置く、(卵を)産む)の動詞の変化は以下になります
■自動詞 lie (横になる 横たわる)
自動詞のlie(横になる・横たわる)の動詞の変化は以下になります
上の例文をlay が 他動詞の現在形 lay か lieの過去形か区別するには
① lay のあとに前置詞があるので lay は自動詞である
② because 以下が過去形であるので、時制の一致で前の節も過去形である
以上の理由で 上記例文のlay は lie の過去形!
□自動詞 lie (うそをつく)
自動詞のlieには横になるという意味以外にも「うそをつく」という意味もあります。
「うそをつく」のlieの動詞の変化は以下の通りで、「横になる」とはまた別の変化をします。
人にうそをつくという場合は lie to 人
~についてうそをつくという場合は lie about~
〇 You lied about where you were on Saturday.
あなたは、土曜日どこにいたかについてうそをついた。
発音で覚える エイ→他 アイ→自
覚え方は
他動詞「raise」「 lay」 の母音は ei エイと発音
raise 【発音】réiz、レイズ
lay 【発音】léi、レイ
一方、 自動詞の 「rise」「 lie」 の母音は アイと発音します
rise 【発音】ráiz、 ライズ
lie 【発音】lái、 ライ
エイ他 アイ自でと語呂合わせで覚えましょう
まとめ
少し長くなりましたが、他動詞と自動詞の違いについて解説しました。
単に目的語があるかないかの違いだけなのに、すごく複雑ですよね。
自動詞、他動詞は 高校英語で習う、文型(1-5)にも深いかかわりがあるので一緒に覚えていくのもいいでしょう。
また、同じような意味の自動詞と他動詞をセットで覚えるのは効果的です。
一度に理解することは難しいですが、どんどん使っていくうちに覚えてくるようになるので、間違いを恐れずに慣れるまで、何度も使ったり、調べていきましょう。