今回は、わかりにくい(使いにくい)と感じる単語"worth"についてまとめてみました。
個人的にも分かっているようで、まとめながら結構奥が深いなと、学ぶいい機会になりました。
worthはネイティブスピーカーが非常によく使う単語で、名詞として「価値」という意味だったり、形容詞として「価値がある」「~に値する」という意味をもちます。
今回は、主に形容詞としての「worth」を見ていきますが、この単語が使いにくいと感じるポイントは形容詞なのに、一般的な形容詞と使い方が違うということです。中には、「前置詞」だと表記する辞書もあり、非常によく使われる割に、慣れないと使うのが少し難しく感じてしまいます。
この記事で
どのように worthが使われるか
どのような意味で使われるか
worth を使った表現法
を解説していきます。
【形容詞】worth の使い方・表し方
1. worth + 金額
worth+金額で 「金額の価値がある」という意味になりますが、必ずしも値段(price・cost)そのものというわけではなく
「その金額に相当する価値・値打ち」の意味で表されます。
ポイント
「主語+be動詞+worth+金額」で 「主語は金額の価値がある」という意味になる
また、人に財産があるという表現でも使われます。
そして、金額の価値を聞くので、疑問詞を使う場合は 「how much」を使います。
2. worth 名詞
worth は形容詞ですが「主語は~(名詞)の価値がある」と表現する場合 冠詞と名詞の間にworth は入れずに、「worth + 冠詞+名詞」の順になります。
たとえば、バリは素晴らしい訪問先だ。という文であれば、下記のように表せます。
また、後述していますが、これらは worth visiting や worth waiting というふうに、動名詞とつなげても同様の意味になります。
否定形だど「~の価値はない」という意味になります。
worth one's time で時間をかける(費やす)価値がある (否定形:時間をかける(費やす)価値がない)
3. worth + it
worth は形容詞でありながら、補語として単体で使うことがありません。
上記のように、他の形容詞であれば、単体として補語(主語を説明し 主語=形容詞の関係が成り立つ)の役割を果たしますが、worth は単体で使うことがなく、 「worth it」として表現されます。
それゆえに、「前置詞」と言われることもありますが、Cambridge Dictionary やOxford Dictionaryをはじめ、ほとんどの辞書が形容詞として表記しています。
参考記事:Worth or worthwhile ? - Grammar - Cambridge Dictionary
4. worth + 動名詞(~ing)
動詞と一緒に使う場合は、「worth +動名詞」の形で、「~する価値があるという」意味になります。worth +to 不定詞は使わないので注意!
上記、talk は自動詞なので、talking のあとにabout をつける必要があります。talking about はどこにつながるかというと、talking about this になります。
形式上の主語 it が前に置かれて、動名詞以下が意味上の主語となる場合もよくあります。
worth を使って文を作る
1.このサッカーチームは参加する価値がある。
2.そのコンサートは行ってみる価値がある
3.あの花瓶は5000円の価値がある
ポイント
- 主語は何か?
- 「価値がある」を be動詞+worth とする
- 金額/何の(何をする)価値?
1. このサッカーチームは参加する価値がある。
主語: このサッカーチーム=This soccer team
価値がある: is worth
何の価値?=参加する価値=joining
答)This soccer team is worth joining.
これもOK➡It's worth joining this soccer team.
これもOK➡Joining this soccer team is worth it.
2. そのコンサートは行ってみる価値がある
主語: そのコンサート=The concert
価値がある: is worth
何の価値?=行ってみる価値=going to
答)The concert is worth going to.
これもOK➡It's worth going to the concert
これもOK➡Going to the concert is worth it.
3. その花瓶は5000円の価値がある
主語: その花瓶=The vase
価値がある: is worth
金額=5,000 yen
答)The vase is worth 5,000 yen.
名詞としての worth
名詞としてのworth は 「価値」という意味で使われます。
また、直前の金額や数字と結びついて、「金額分/相当」や「~年(月、日など)分」という表現もよく使われます。
類義語と意味の違い
worth vs. worthy・worthwhile
worth と似ている単語で、 worthy と whilewhile があります。どの単語もworth が付いていて意味もほとんど変わりがありません。
ビミョウな違い
- <worth>
金額、行動などの「価値がある」形容詞は単体では使えず、後ろに名詞や代名詞(it)を置く - <worhy>
主に人に対しての尊敬、価値を意味する
「立派な」「価値のある」「尊敬に値する」「(皮肉を込めて)偉い」
後ろに名詞をおいて「~に値する」と表現する場合は worthy of ~と表す
worthy of は deserve(ふさわしい)と同等の意味 - <worthwhile>
時間、労力、お金などを費やすだけの「価値のある」
主に行動に対して「やりがいのある」「重要性がある」
参考記事:Worthwhile or Worthy? (and Worth) - Explanation & Exercises (englishcurrent.com)
worth vs. value
金銭の価値:
worth は 金銭的な価値、対価を表す
value は :金銭的な価値に重要性の意味が加わる。金額と感情が両方伴うのでその「価値=value」は 人によって異なる
人・モノ・行動の価値
両者同様の意味で、言い換え可能な場合が多いですが、違いはあるようです。
worth は「~するに値する」
value は「価値を見出す」worth + importance/significance 価値に重要と感じる感情がプラスされる
形容詞は valuable
worth vs. value(valuable)
worth はシンプルに金銭的・時間・行動などに「価値がある」に対して、
value/valuable は何を「価値があるというか」「貴重」の感覚は人によって違うという私見が入っている
参考記事:Value vs Worth: What’s the Difference Between Worth and Value? (lavendervines.com)
worth まとめ
いかがでしたか? この記事を書くにあたって、一言で worth といってもかなり奥深いなと感じました。似た単語との微妙な違いも個人的にも改めて勉強になりました。
形容詞の「worth」は 後ろに名詞を必要とする、「前置詞」のような役割も
●「worth + 金額 」で 「金額の価値がある」といういみになったり
●「worth 名詞」や「worth +動名詞」で~の価値がある という意味になります。
複雑なのは、普通の形容詞のように単体で補語になって主語を説明することはなく、worthの後ろに(冠詞+)名詞が来ます。
名詞がない場合も 代名詞の itをおきます。
類義語には worthy / worthwhile /value (valuable) などがあり意味の差は微妙ですが、使いわけができるとレベルアップにつながります。