関係代名詞の前に前置詞がくるのって苦手意識を持つ人がすごく多いですが、何故かというとズバリ「辻褄が合わない」「しっくりこない」と感じるからではないでしょうか?
こんな方におすすめ
- なんで関係代名詞の前に前置詞が来るの?
- 前置詞は何を入れればいいの?
- どうやって訳せばいいの?
など、モヤモヤでスッキリしないこの文法を、分かりやすく解説していきたいと思います。
「前置詞+関係代名詞」文の作り方
前置詞+関係代名詞の形で使えるのは、which と whom のみで、thatや whoは前置詞を前に置けません。
そして文の作成のポイントはたったの2点
1. 関係代名詞を使って2文を1文につなげる
2. 前置詞を関係代名詞の前に置く
早速例文を見ていきましょう
(訳)サムは彼が働く環境が好きです。
上記にもあるように、
Sam likes the environment which he works in でも文法上は〇です
ただ、in whichよりも少しカジュアルな言い方になります。
which を省略することも可能です
〇 Sam likes the environment he works in
which をthat にすることも可能です
〇 Sam likes the environment that he works in
前置詞とthat をくっつけることはできません
✖ Sam likes the environment in that he works
(訳) 私が招待されたパーティはとても楽しかった
〇 The party which I was invited to was really exciting.
〇 The party that I was invited to was really exciting.
〇 The party I was invited to was really exciting.
✖ The party to that I was invited was really exciting.
(訳) 先生が話かけている男の子を私は知らない
上記にもあるように前置詞を文末に残したままでもOK、
〇 I don't know the boy whom the teacher is talking to.
whomを省略してもOK
〇 I don't know the boy the teacher is talking to.
whoは使えません
✖ I don't know the boy to who the teacher is talking.
紐といていくと作文はシンプルです。
ではなぜまだたくさんの人が苦手なんだろう?
それはこんな形式でテストには出ないからです。
テストには
Sam likes the environment (which / in which) he works.
こんな感じで出題され、一見前置詞が要るかどうかが分からないからではないですか?
「前置詞+関係代名詞」選択問題・穴埋め問題のポイント
問題の例で正解を見極めるポイントを抑えましょう
ポイント
先行詞が関係代名詞以下の文にどうくっつくかを考える
1,2,3 すべての文の先行詞は the places
which 以下
1. visitは他動詞で先行詞the placeを前置詞なしでつなげられる visit the place
➡答えは which
パリは私が訪れたい場所のひとつです
2. go と先行詞 the place をつなげるには go to the place
➡ 答えは to which
パリは私が行きたい場所のひとつです
3. live と先行詞 the place をつなげるには live in the place
➡ 答えは in which
パリは私が住みたい場所のひとつです
4.5両方とも文末が bornで終わってますが答えが同じでしょうか?
4. 先行詞は a disease
born with ~(才能・病気などを)もって生まれた という意味があるので
➡答えは with which
彼は生まれつきの病気がある
5. 先行詞は the city
born inで ~で生まれたという意味なので
➡ 答えは in which
大阪は私が生まれた街です
応用
6~8は訳しにくい例文です。これらはパターンで覚えておくとよいでしょう
6 先行詞 cases
caseとは 場合、状況、事例 という意味があります
~の場合と表すときは in を伴い
in cases students need support で生徒がサポートを必要とする場合という意味になるので
➡答えは in which
生徒がサポートを必要とする場合がたくさんある
1~5の問題と違い、関係代名詞以降の students need support と cases どうつながるかが分かりづらいので選択に迷います。
先行詞が case(s)の場合は必ず in which (=where)が来ることを覚えておくといいでしょう
7. the manner
8. the way
両方とも同じ意味で「やり方、方法、手段」を表します。
「~のやり方で、~の方法で」と動詞を修飾する副詞的な意味でつなげる場合は
in a (the) manner・ in a(the) wayとin が伴います。
the manner ・the wayは、関係副詞 how の先行詞になりますが、ルール上the manner / the way とhow は一緒に使うことができません。
関係副詞how 代わりに関係代名詞in whichを入れることで、
形式ばった(くどい)言い方をするときに the way in which ・ the manner in which という表現を使います
例題1~5のように先行詞と関係代名詞以下の文とどうくっつくかがを考えるのでなく、
例題6と同様に the manner in which, the way in which で覚えておくといいです。
➡ 7,8ともに答えは in which
8の例題を以下のように表現してすべて同じ意味になります
ただしthe manner の場合はあとに続くのがS+Vの場合は必ず the manner in which S+Vになり省略はしません。
句動詞の場合は 前置詞は前に持ってこない
句動詞とは動詞が前置詞や副詞などとくっつくことによって元の動詞単独の意味と異なった意味になるものを指します。
例
look 自動詞 見る
look at ~を見る(句動詞ではない)
look for ~を探す (句動詞)
get 他動詞 手に入れる、理解する
get up 起きる(句動詞)
前置詞を伴う句動詞の場合は、必ず動詞とセットになるので、前置詞を関係代名詞の前に持ってくることはできません。
↑ look at の場合は句動詞ではないので at を関係代名詞の前に持ってくることができます。
彼女が見ていた絵画は売り切れてしまった。
一方look for は句動詞なので look とfor を切り離すことはできません。
彼女が探している絵画は売り切れてしまった。
所有格の意味になる of which ・ of whom
関係代名詞の所有格は whose ですが、of which とof whom でも表せます。
of which/whomとなることで、先行詞が関係代名詞の直前ではなくなるので注意です。
先行詞のあとにコンマがない(限定用法)のとコンマがある(非限定用法)でも意味が少し変わります。
(限定用法)ロンは原因不明のひどい頭痛がある
先行詞は直前のthe cause ではなく
headacheになるので注意
(非限定用法)ロンはひどい頭痛があり、その原因は分からない
コンマがある場合は先行詞は前半の文全体になる
私には2人兄がいて、そのうちの一人は弁護士です
all of which /whom
both of which/whom
one of which /whom
などは非限定用法で使われます
テストによく出るのは↓こんな感じです
whose ・of whichのどちらが来るかを見極めるポイントは…
roof があとに来ているので➡答えは whose です
彼は青い屋根の家に住んでいます
次回は関係副詞を解説します!
【徹底解説】関係副詞を分かりやすく説明|関係代名詞との違いを見分ける!
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