英検3級②長文読解の出題傾向と有効的な進め方
前回は英検3級の短文や会話文の穴埋めの対策について解説しましたが、今回も英検3級についての記事です。
今回は、一次試験のリーディングの3分の1を占める、長文読解についてです。
英検3級合格のためにリーディングはどう進めていけばいいの?
時間配分は?
テストの傾向は?
などの疑問の答えながら、解説していきます。
英検3級長文問題 3つの形式
長文読解は3つの形式に分かれていて、全部で10問あります。
- 案内、掲示板
- Eメールのやり取り・手紙
- 説明文
語句穴埋め問題と長文読解、ライティングを合わせて50分なので、時間配分もしっかりと意識しないといけません。長文読解には20分くらい取れるのが理想的です。
①筆記:50分
●リーディング (550点満点)
短文の語句穴埋め―15問
会話の語句穴埋め―5問
ココ➡ 長文読解-10問
●ライティングー英作文-1問 (550点満点)②リスニング: 25分 (550点満点)
●会話の応答文選択-10問
●会話の内容一致選択-10問
●文の内容一致選択-10問1次試験 合計 1650点 合格ライン 1103点(67%)
それでは、詳しくそれぞれの長文の例をを見ていきましょう。
これらは、2023年1月に実施された、2022年度第3回検定で実際に出た問題です。
形式① 案内文・掲示板
案内・掲示板は設問は2問です。
長文に合計20分程度を設けていても、何度も読み返したり、選択に時間をかけてしまうと、最後のほうは答えられなくなったり、あてずっぽになってしまったりすると、せっかくテスト勉強をしっかりしても台無しになってしまいます。この案内文・掲示板の2問は、読むのと回答を含めて4分で解くのを目標とします。
でも、焦る必要はありません。読解ポイントを押さえて自信を持って選択していきましょう。
(1)
(2)
出典:英検3級2022年度第3回 (2022-3-1ji-3kyu.pdf (eiken.or.jp))
◎ タイトルが一番上にある
◎ タイトルの下に簡単な説明
◎ 「日時・場所」「メニュー」などが記載されている
◎ 備考、補足、注意書き、連絡先など
今回の案内で言うと↓こんな感じです。
これを先に全部読んで、問題に進むと時間がかかるので、「質問の答えを探す」目的で進めていきます。
1. まずはタイトルを見る
2. 設問を読んで理解する
(1)Who is this notice for?
(2)Ice-skating lessons are held
3. 質問の答えを探しながら読む
1. タイトルを見る
タイトル:Ice-skating lessons.
まずはタイトルのみをみて、「アイススケートのレッスン(教室)」についての案内だということを把握します。
この情報だけでは、まだ不安ですが、2に進みます。
2. 質問を読んで、質問の意味を理解する
(1)Who is this notice for?
疑問詞「who」から始まっているので、誰を対象に書いてあるかを聞かれていることが分かります。
「この案内は誰向けですか?」
who 以外にも What is this for? だと 「これは何のためですか?」
などよく使われるので、覚えておくとよいでしょう。
(2)Ice-skating lessons are held
heldはholdの過去分詞形で受け身の「be動詞+held」で「開催される」という意味になります。
「アイススケートの教室は開催されます」
となり不完全な文になっています。この場合は、教室の詳細を問われていることになります
3. 質問の答えを探しながら読む
タイトルと質問の内容を理解した上で、質問を意識しながら実際に案内文を読み進めていきます。
1文目から、(1)の答えらしきものが出てきました。
「for students」ということは「1」が濃厚かな?
だけど、選択の中には、students who ~、Ice-skating coaches who~など
詳しい情報も必要です。
(1)
「1」が濃厚でありながらも、students を people や children に言い換えているかもしれないと疑いをかけます。
ただし、コーチ向けではないことが分かったので、
[2. Ice-skating coaches who~」は選択肢から外れます。
読み進めてみましょう
"You don't need to be good at ice-skating. Beginners are welcome. If you practice hard, you will become very good at ice-skating."
↑この初めの説明部分でアイススケートのレッスンに関係ない
「3. People who want to sell their old stakes.」
古いスケートを売りたい人
「4. Children who want to go to a snow festival」
雪まつりに行きたい子どもたち
が適切な答えでないことが分かります。(1)の答えは
1.Students who want to try a new activity.
に絞られました。アイススケートとは書いていませんが、
「新しいアクティビティに挑戦したい生徒」で一番適切な選択となります。
次に記載されているのが、レッスンの詳細です。
場所、料金、スケジュールが記載されていますが、選択肢は、時間、曜日が記載してあるので、スケジュールを見ます。
(2)
この2行を読んで、
✖ 1.at 8am on weekend.
(4pm to 5pmと書いてあるので✖)
✖ 2. only on Wednesdays.
(closed on Wednesdaysとあるので✖)
✖ 4. on weekend afternoons.
(Every Tuesday, Thursday, and Fridayとあるので✖
〇3. three times a week
詳しい曜日や時間は書かれていませんが, 火・木・金(Every Tuesday, Thursday, and Friday)で週に3回を意味しているので 「3」が答えになります
質問(1)の答えはice-skating の記載がなく、 ”new activity” と記載されていたり
(2)Every Tuesday, Thursday, and Friday ではなく、”three times a week ”
となっていたりと、文の記載と全く同じように表現されるとは限らないので、違った表現で表されることに要注意です。
形式② Eメール / 手紙
次の長文の形式は、メールのやり取りや手紙で、設問は3問です
読むのと回答を含めて5分で解くのを目標とします。
eメールは、やり取りは 2者(ふたり)のやり取りで
メール→返信→ 返信の返信 という形が多いです。
やや長めの手紙が出ることもあります。
2023年1月実施の英検3級2022年度第3回はメールのやり取りでした。
(1)
(2)
(3)
出典:英検3級2022年度第3回 (2022-3-1ji-3kyu.pdf (eiken.or.jp))
それぞれの質問の答えは
問1 メール1から
問2. メール2(返信メール)から
問3. メール3(返信の返信)から
という感じで出されることが多いので、
●問1を読む→ メール1を読んで答える
●問2を読む→ メール2を読んで答える
●問3を読む→ メール3を読んで答える
のように進むのが効率的です
1. (1)の質問を読んで答える
(1)Who told Beth about Sam's store?
訳すと:「サムの店について、誰がベスに教えたのですか?」
(1)を解くときは、この答えを探すのが目的ですが、
まずはメールが何についてなのかを理解することが重要です。
タイトルを見ると
メール1
- このやり取りがBeth GreeneとThe Book Worm 間であるということ
- 要件は、「Lookng for a book(本を探しています)
とあるので、
Beth が本を探しているところから始まっていることが分かります。
読んでいくと、Charles Vance が出てきますが、彼は "my favorite writer " と書かれているので、
選択肢2は 違うことが分かります。
次の文で ”the Readers Rule bookstore"のことが書かれていますが、店のオーナーのことは書かれていません。よって 選択肢3も違うことが分かります。
赤下線部、「先週の土曜日、友人宅で彼からあなたの店のことを聞きました」とあるので、「1」が最適です。
ただ、サムの名前がまだ出てきませんので、返信メール、1文目まで読んで確実に「1」が正解となります。
選択肢4の A famous writer については書かれていません。
(1) Who told Beth about Sam's store?
〇 1. Her friend
✖ 2. Charles Vance
✖ 3. The owner of Readers Rule
✖ 4. A famous writer
2. (2)の質問を読んで答える
(2)What will Sam do if someone sells Into the Forest to him?
訳すと:「サムは誰かが彼にInto the Forest を売ったら何をしますか?」
質問(2)の答えは、メール2を読んで答えていきますが、メール1の続きから読んでいきます。
Bethのメールは最後に「Do you have Into the Forest at your store?」と質問を投げて終わっています。
メール2はその質問に対しての返信です。
タイトルを見ると
メール2(返信)
要件:Sorry となっているので、The Book Worm に Into the Forest の本がないことを示唆しています。
(2)の質問を意識しながら、メール2(返信)の全体を読みます。
文中に「Sorry, but I don't have Into the Forest in my store right now」とあり、それがベスのメールに対する返事になります。
しかし、ただ本がないという内容だけでなく、サムは本が見つかり得る方法も下記の通り提案もしています。
●オンラインで探す
●図書館で探す
そして、赤下線部、People bring old books to my shop every day, and I often buy them. If someone brings Into the Forest to my store, I'll buy it, and then I'll send you an e-mail.
とあるので、これが(2)の答えです。
質問は"if someone sells Into the Forest to him"
(誰かが彼にInto the Forest を売るとしたら)
という意味ですが、メールの中では "I’ll buy it"と主語がI(=サム)で買うと表現されています。
(3)Why won't Beth buy Into the Forest on www.warmwords.com?
「なぜベスはInto the Forestをwww.warmwords.comで買わないのですか?」
3. (3)の質問を読んで答える
(3)Why won't Beth buy Into the Forest on www.warmwords.com?
訳すと:「なぜベスはInto the Forestをwww.warmwords.comで買わないのですか?」
(3)の質問は、返信の返信(メール3)から探します。
まずはタイトル、
メール3(返信の返信)
早速、赤下線部、 I checked the website you told me about. They have it, but it's too expensive for me.
とあります。
(3)の質問はなぜwww.warmwords.comで買わないのか。
選択肢1 They don't have it(そのオンラインストアではInto the Forestがない)と言っていて、
本文にはThey have it.(Into the Forestの本はある)と言っているので✖
同文の後半に but it's too expensive for me.(私には高価すぎる)あり、これが答えになります。
選択肢3 She found it at the library.は 読み進めると、I also checked the library but sadly, they don't have it.で図書館にはないとあるので✖
選択肢4 She dosen't like shopping on the Internet (彼女はネットショッピングが好きではない)とあり、文中にそのような起債がないので✖
形式③ 説明文
いよいよ、最後の長文「説明文」です。説明文からは5問出されます。
読むのと回答を含めて約10分で解くのを目標とします。
こちらも、他の長文と同様、何度も読み返しながら解くと時間が足らなくなる恐れがあるので、他の形式と同様、先に、質問を読んでおいて、質問の答えを探しながら読むのがいいでしょう
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
「説明文」は昔実在した人物や場所の説明であることが多いです。
タイトルだけでは、人名なのか、場所なのか分かりづらい場合が多くありますが、読んでいくうちに内容が分かります。
1. タイトルをみる
タイトル「Lilian Bland」だと人名なのか、何なのかわかりませんが、説明文の冒頭に
Lilian Bland was born in 1878.とあるので、人のことを指していることが分かります。
2. 質問を読んで、意味を理解する
(1)What was Lilian Bland's job in London?
「リリアン・ブランドのロンドンでの仕事は何でしたか?」
(2)How did Lilian get interested in planes?
「リリアンはどのようにして、飛行機に興味を持ちましたか?
get(become) interested in ~は「~に興味を持つ、興味を持つようになる」と
動詞 get /becomeと使うことによって、動詞的な意味になります
(3)Lilian finished making the plane named "Mayfly" in
「リリアンはメイフライという名前の飛行機を○○年に完成させました。」
年が答えになるので、文中の年に注意をしながら読みます。
(4)Why did Lilian stop flying?
「なぜリリアンは飛ぶのをやめたのですか?」
(5)What is this story about?
「この話は何についてですか?」
全体的に何について書かれているかを理解する必要があります。
3. 質問の答えを探しながら読む
質問を意識しながら実際に文章を読んでいきます。
質問(1)のキーワードは "London" です。
早速、第1段落目にキーワード "London"が出てきました。
Londonが使われているのはこの1文のみです。
その1文を読むと、
By 1908, she was working for newspapers in London.
(訳:1908年ごろには、彼女はロンドンで新聞社で働いていました)
質問の jobは「仕事」という意味ですが、答えの文はjobではなくwork(働く)という動詞で表されています。
選択肢4が答えになります。
(1)
さらに、3段落め、下の方には(3)のキーワード "Mayfly"が出てきました。
ですので、(2)の答えは、
選択肢3 She got a postcard of a famous pilot.
(有名なパイロットのはがきをもらったから)選択肢4の Louis Bleriotの記述も前にありますが、リリアンがLuis Bleriotに会ったということは書いていないので✖
このひとつ前の1文に
”It took her one year to make the plane, and she finished it in 1910.”そして
”Then she named the plane ”Mayfly”と続いています。つまりこの1910が答えになります。
次の文にThen she got married and moved to Canada とありますが、それがリリアンが飛行をやめた理由ではなく、彼女の父親がリリアンには飛行は危険すぎると思っていたからと赤下線部にあります。
タイトル Lilian Bland からも分かるように、これはリリアンブラントという女性と彼女の偉業についての話なので、選択肢1が答えだと分かります。
まとめ
今回は、前回に引き続き英検3級のリーディング対策について、解説しました。
長文読解は、時間配分が非常に重要になるので、有効的な解き方のポイントを紹介しましたが、個人的なやり方なので、絶対ではないです。試験までに色んな形式の長文を読んで、練習問題をといて、慣れていくのもとても大事です。また、本文と質問で表現が違う場合も多いので、表現の仕方にも注意が必要です。
次回は、英検3級のライティングのポイントを解説したいと思います。